
逆住宅ローンともいえるリバースモーゲージですが、民間の銀行だけが展開している商品ではありません。
居住する地域の社会福祉協議会でもリバースモーゲージを展開しています。
そこで気になってくるのが、民間の銀行と一体何が違うとね?という点。なんとなくイメージで「社会福祉協議会から借りたほうが金利は低いとやろうね」という印象はありますが、実際どうなんでしょうか。
そこで実際、熊本市社会福祉協議会に聞いてみました!
ざっくり解説!リバースモーゲージてなんね?
リバースモーゲージとは、住宅ローンの逆バージョンです。
どちらも「自宅を担保にお金を借りる」という共通点がありますが、住宅ローンは毎月返済を行うのに対し、リバースモーゲージは、契約者が他界後に一括で支払いを行います。
月の返済金額は利息のみでいいので、年金のみの収入であっても負担になりにくいのが特徴です。
ただし他界後に、担保に入れていた持ち家を売却し、その金額で一括返済を行うので、相続として残す事はできません。
また高齢者向けの金融商品なので、65歳未満(申込先によっては55歳)の人は、申込みできないようになっています。
民間の銀行が展開しているリバースモーゲージと何が違うと?
決定的に違うのは使用目的が制限される事です。
民間の銀行のリバースモーゲージは基本的に使用使途が自由なのに対し、社会福祉のリバースモーゲージは生活費に限定されます。
また必ず必要になってくるのが連帯保証人です。この連帯保証人も誰でもOKという事ではなく、相続人に限定されます。例えば子供や兄弟限定ってことですね。
対して民間の銀行のリバースモーゲージは原則保証人が不要です。
いくらまで融資してくれるの?
カードローンのように貸付上限額が決まっている訳ではありません。
基本的には持ち家の評価額で決定しますが、社会福祉協議会が評価するのは土地のみです。
しかも申込み条件として、現時点で土地の評価額が1,000万円以上ないといけません(評価額は毎年届く固定資産税に記載されています)。
その後調査員が土地の評価を行い、間違いなく1,000万円以上の価値がある!!と認められないと融資はおりないのです。
また社会福祉法人では、評価額の7割を上限としていますから、仮に評価額が1,000万円であれば700万円までの融資となります。
一括で融資してくれるの?
社会福祉法人での貸付けは一括ではありません。例えば700万円借り入れたとしましょう。一気に口座に700万円入るのではなく、毎月30万円が11年6カ月に渡って口座に振り込まれます。
気になる疑問を聞いてみた
―生活費って一言にいっても範囲が広いもんですよね。どの程度までですか?
「単純に、生活に密着するものに限定されます。例えば冷蔵庫が壊れた!とか年金だけじゃ足りない!っていった場合のみですね。自宅が古いけんリフォームしたい、などは無理です」
―大体、皆さんどの程度の金額を借りているんですか?
「やはり生活費と言えど、慢性的な生活費不足ではない方がほとんどですので、必要な金額として5万とか8万円…うーん10万円まではいかない、って人が多いですね」
―まって?10万円弱のために自宅を担保って割に合わなくないですか?
「いや、おっしゃるとおり。なので、ほとんどの方はそのまま返済をされていますよ。貸した金額プラス利息まで支払って完済されれば抵当権消えますから、自宅を没収されることはありません」
まとめ
民間の銀行は金利が高い分、自由度が高めです。一方、社会福祉協議会の金利は低いですが、かなり使用目的が絞られますし保証人が必要です。
借金なんてしないに越したことはありませんが、やはりもし必要になった場合には、頼らざるを得ませんよね。ただどこの金融機関も必ず年齢制限がありますから、単純に高齢になればなるほど申込先がありません。
そんな時に検討するのが、リバースモーゲージです。
変な話、持ち家を担保にすれば融資してもらえる可能性があるのですから、その点では賃貸で暮らす人よりも融資先の選択肢が広がり有利ではありますよね。
やはり土地は財産です。所有していることに越したことはありません。もし「賃貸か持ち家か悩む」と思っているのであれば、決定する一つの選択肢として検討してもいいかもしれませんね。