「俺が死んだらこの土地やるけんな」本当に”無償”では相続できません

LIFE PLAN

「持ち家どがんしよっか悩む」「なーん!なら爺ちゃん婆ちゃんが死んだらこん土地ばやっけんな」このような会話が年始に交わされたというご家庭は要確認。

土地ばやっけんな=無償で土地が手に入るって思いがちじゃないですか。

確かに「土地代」はかかりません。しかし「税金」が発生することを忘れてはならないのです。

同じ贈与でも種類がある

 

同じ「贈与」でも、実は3つに分かれます。

・定期贈与…例「生活が苦しかとね?なら、ばーちゃんが毎月10万円ば10年間やろたい」

・負担付き贈与…例「こん土地は評価額1,000万円あっと。こっばやるけん、300万円のローンば負担してくれ」

・死因贈与…例「私が死んだら、こん土地ばあたにやろたい」

ご覧のように、贈与は必ずしも他界後に発生するものでもないんです。最近よく聞く生前贈与もこれにあたります。

他界した場合には相続税が絡んでくる

もう税金の話なんてややこしすぎますよね。イヤになってきます。でも「面倒やけん」で、放置できる話じゃないんです。

ちなみに、「死んだら土地ばやっけん」は、死因贈与にあたるので、贈与税ではなく相続税が発生します。

「他界して土地貰ったら相続税がかかるなら、生きているうちに貰おうかね」ってなれば、今度は、贈与税っていう別の税金が発生してきます。

詳しくいくら違うのかは、また別の機会に話しますが、ここでは存命中に貰おうが、他界後に貰おうが、どちらにせよ税金が発生するんだと認識しておけばOKです。

有効なのは「遺贈」手続き

ここからますます、ややこしい話になっていきますよ!その前にお茶でも飲んで一息ついてください。

さて、もし「死因贈与」で土地を手に入れた場合、以下の税金が発生します。

・登録免許税…2%
・不動産取得税…4%

…嫌じゃないですか。タダで土地ゲットって思っていたのに、まさかの訳の分からない税金が発生するとか。

でもせっかく「あげる」って言ってくれている気持ちも無駄にはしたくない…。

だったら有効なのは、死因贈与ではなく「遺贈」手続きなんです。

遺贈ってなん?

法律上「遺贈」と「死因贈与」って、かなり似ているんですよね。でも税金の面で考えれば全く違うものなんです。

死因贈与は、先に話したように「死んだら土地(財産)ば、やっけんな」「マジで?あざす!!」と、両者共に合意できているのが、死因贈与です。

対して遺贈は、受け取る側の意思なんて別に必要ありません。遺言に「土地は○○にやる」と記載されていれば、それでいいんです。

つまり必要なのは遺言書です。

死因贈与だとしても、他の相続人と揉めないためにも一筆書いておいた方がいいものですが、別になくても、例え口約束でも問題ありません。

しかし、遺贈を適用させるには、遺言書の存在が絶対条件なのです。

遺贈にしておけば不動産取得税が0

内容は同じなのに、遺言書の有無で一体何が変わるのか?それは、先に話した税金面で大きく変わってきます。

遺贈の場合ですと、税金は以下のとおりになります。

・登録免許税…0.4%
・不動産取得税…0%

ここでもう一度「死因贈与」での税金を見てみましょう。

・登録免許税…2%
・不動産取得税…4%

ねっ!!大きく変わってきますよね。

そのため、できる限り「土地ばやっけんな」と言われた時には「申し訳ないとばってんね、税金の問題のあるけん、その旨、遺言書に書いて」と伝えておくといいでしょう。

マイナスの資産なら相続放棄もできる

生前に「ぬしに土地ばやる」などの話なんて全くなく、他界後の遺言書にまさかの相続人に指定されていた…という事も珍しい話ではありません。

「ありがとう」と涙に濡れるところですが、相続してしまう前に、本当に相続してもいいものなのかを事前に確認しておく必要が出てきます。

なぜなら相続すると、マイナスの資産まで相続する事になってしまうためです。

マイナスの資産=借金

なかなか家族に「俺は借金しとるけんな」と公言している人ってあまりいません。やはり秘密にしておきたいもの。それが借金です。

何も考えずに相続をしてしまうと、その借金まで相続するので、今後はその借金を返済する義務が生じてしまいます。

金融機関も契約者が他界したことは、お悔み情報などで毎日確認していますし、また、信用情報機関によっても確認できています。

そのため、誰が相続をしたのか確認をするために連絡が入る事があります。

相続放棄は3カ月以内に

その事実(借金をしている事実)を知らずに相続してしまった場合には、相続を放棄することが可能です。

家裁で手続きをとれば終了なのですが、ここでのポイントは「いつ相続をしたのか」という点です。

相続を放棄するのであれば、3カ月以内に申し立てを行わなければなりません。

仮に3カ月経過して、初めて借金の存在を知ったとしても、基本的に「その事実を知った日」が起算日になるので、放棄を認めてもらえる可能性は高いものです。

相続よりも借金返済の方が、負担が大きいようであれば相続放棄の手続きを行うといいでしょう。

まとめ

「おーう俺が死んだらこの土地ばやろたい」という気持ちはありがたく頂戴しておきましょう。しかし、実際にもらうとなると、税金は発生します。少しでも抑えるためには遺言書の存在が必要になってくるので、その点だけ注意しておきましょう。

もし知らずに相続したものの、相続した資産を上回る借金があれば相続放棄は可能です。

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