
「戸建てがいい!でも希望エリアだと予算オーバー」と、悩んでしまうところですよね。
エリアを重視するのであればマンション、居住空間の広さを優先させるのならば戸建てと住み分けができていますが、「絶対このエリアは外せない!」「このエリアで戸建て!!」っていう人もいる訳です。
そうなると選択肢として出てくるのが狭小住宅。
しかし「少し敷地は狭くなるけれども、その分土地も予算内だし、お得な買い物できた~!」って喜んでばかりはいられません。
土地は安く購入できても、狭小住宅の場合は建設費用が割高になっちゃうんです。でも通常サイズよりも小さいのに費用があがるって、なんで!?
狭小住宅だと建築費用が割高になる
狭小住宅の定義ですが、一般的に15坪以下が狭小に該当すると言われています。15坪の広さを分かりやすく言えば、30畳ほどの広さです。
30畳と聞くと「あれ?意外といけそうじゃない?」って感じてしまいますが、この30畳をフルに使える訳ではありません。
住宅には「建ぺい率」と言って、ざっくり言えば、この敷地に建物たてるんなら〇割までの大きさにしなきゃだめよっていう規則があるんです。
しかもこの建ぺい率は、居住予定の地域が「防火地域」なのか「準防火地域」なのかでも変わってきます。
これもう非常にややこしい!!
なので、ここでは30畳の大きさで建てられる訳じゃないんだなって程度で認識しておけばOKです。
さて、狭小住宅は一般の住宅に比べ建築費用が割高になってしまう原因は「土地」「隣との距離」「駐車場の確保」この3点が大きく影響してきます。具体的に何がどう影響してくるのかを見てみましょう。
土地の問題
土地が狭い分、居住空間を広げるならば、上もしくは下に空間を増やすしかありません。
3階建てになれば発生するコストは以下のとおりです。
・扉や階段などの設備が増。その材料費や施工費でまずコストアップ
・3階建ては通常の2階建てよりも構造計算が複雑になってきなすから、その分の経費などが上乗せ。
・土地が3階建ての重みに耐えられるように地盤改良費代が必要。
もうこの時点で最低でも何百万円と変わってきます。
「なら地下を掘ろうたい」と地下室を作るのであれば、別途、地下室を作るための費用がかかります。
隣との距離問題
これは狭小に限った話ではありませんが、隣との距離があまりに近すぎると、そもそも足場が組めない事も想定されます。
また、工事車両が入れなければ、近隣の駐車場と契約をし、そこから職人さんが手づかみで運ばなくてはいけません。そうなれば現場で働く人の負担が倍以上に増えますから、人件費が跳ね上がります。
また近隣の生活音が聞こえないように断熱材を厚めに入れたり複合ガラスにしたりなど、設備面のコストも大幅に上がります。
駐車場の確保問題
特に熊本は車社会ですから、駐車場1台分は確保したい、という人が多いものです。しかし狭小になるとそもそも駐車スペースもありません。
そのため一階部分を駐車スペースにするビルトインガレージが採用されますが、構造上や耐震の問題があるので、この部分だけRC構造(鉄筋コンクリート造)にする、という話にもなってくることでしょう。
オール木造で作るよりもRC構造は費用が上がるので、その点でもコストがかかってしまいます。
事前に知っておきたいQ&A
もうザワザワしちゃいますよね。お得だと思って購入した狭小土地なのに、家を建てようとすれば費用がガッツリ上がってしまうなんて。
そうなれば他にも「あれ?じゃこれどうなんの?」という小さな疑問が出てきます。わざわざ人に聞くような事でもないけれど、ちょっと気になる疑問はここで解決しちゃいましょう!
500万円くらいでできないの?
結論から言えば相当難しいと思っておいた方がいいでしょう。先に話したように狭小であればあるほど、建築費用は割高になってしまいます。
設計問題も耐震問題も加わってきますから、建物の費用を500万円でおさえることは不可能に近いものです。
狭小住宅の建築費用の相場は?
500万円じゃ無理となれば、じゃ一体、相場はいくらなのか?という話になりますが、狭小住宅の場合ですと相場は1,500万円~2,000万円程度です。
費用だけを見ると狭小ではない住宅と、ほぼ同じような相場なのですが、3階や地下を作るのであれば別途費用が発生しますし、土地改良費もかかります。
ミニマリストだからいけると思う
物を最小限しか持たないミニマリストも最近、増えてきていますよね。物がない分、狭い住宅であっても特に問題ないように感じますが、それは現時点での話です。今後も夫婦のみの生活であれば充分ですが、もし子供を考えているのであれば子供用品で想像以上に物が増えてきます。
おもちゃだけではありません。学校に通うようになればまた物は増えます。そこまで見越した上で設計を依頼するといいでしょう。
まとめ
予算を少しでも抑さえる目的で、狭小住宅を検討しているのであれば逆効果です。狭小であればあるほど別途費用が発生しますから、結果、狭小ではない住宅よりも費用が割高になってしまいます。
「それでもいい!このエリアを諦めたくない!」という事であれば、事前に狭小住宅を過去に施工した経験がある設計事務所や住宅メーカーに相談をしてみる事をおすすめします。