
様々な方向性から検討した結果、やっぱり我が家は中古住宅で!と決まれば、あとは気になる物件の見学です。でも見学時って立地条件や内装くらいは確認できますが、一番不安な耐震構造ってなかなか分かるもんじゃありません。
「ちょっとごめんなさいね」って床下にもぐっても、何を見ればいいの?って話です。そんな時に役に立つのが住宅診断。
特に熊本地震を経験した熊本県民ならば重要視したいところですが、そもそも住宅診断ってなに?気になる診断内容や費用を見てみましょう!
住宅診断(ホームインスペクション)ってなに?
住宅診断(ホームインスペクション)とは、これから購入しようと検討している家がどの程度の傷みなのか耐震には問題がないのかを第三者が調べてくれることです。
「家のお医者さん」とも言われているくらい、家の内外に関してプロの目線で判断してくれるんです。
どうしても古い物件だと「いやこれあと一回地震着たら崩壊するとじゃ」と考えてしまいがちで、本当に購入していいのか悩んでしまう事も少なくありませんよね。
そんな時にプロに診断してもらって、本当に大丈夫なのか、もし何かしら修復や補修が必要ならば具体的にどのような部分なのかを教えてもらえます。
信用していいと?不動産業者と裏で繋がってるんじゃ…
中古物件と言えど何百万、何千万円という大金が動くんですから、そんなポッと出の人をうかつに信用していいのかという不安も出てきますが、そこは安心して大丈夫です。
必ず資格を有した人でない限り、住宅診断ってできませんし、この住宅診断も不動産業者が準備するわけじゃありません。
じゃ誰が準備すんの?ってなりますよね。
準備するのは購入希望者です。てことは不動産屋さん何も関係ありません。中古住宅は新築と違い、検査の義務なんてないんです。しかも現状渡しが基本。
さすがに購入時に申告していなかったことについては瑕疵(かし)責任といって、不動産業者や売主が保証しなくてはいけませんが、その他の不具合などはすべて購入者が責任を負わなくちゃいけません。
「はあ?そぎゃんこつ言われても買う前まで分からんかったし」って言っても、後の祭りになってしまうので、特に中古住宅購入前に住宅診断を入れておいた方が安心なんです。
適当にされたら困るんだけど
住宅診断を行う人もプロですから、突然フラッときて目視だけで「はーい!よかですよー」では、終わりません。
基礎、外壁、屋根、内装、小屋裏、筋違い、床下、軒先などを事細かにチェックしていきます。その項目なんと100以上。
徹底的に購入予定の家を調べ上げて、本当にこのままでも問題はないのか、問題があるとすればどのような部分なのかを教えてくれます。
中古って言っても戸建てだけだよね?マンションは?
購入を検討しているのが中古マンションであっても、可能ならば住宅診断を行うことをおすすめします。
マンションの場合ですと、床の構造や排水管の位置、上階からの水漏れの有無、部屋が水平であるのかなどがチェック項目です。
一見キレイに見えるマンションでも共有の水道管が漏れていたりすれば部屋カビの原因に繋がりますから、一度調べてもらったほうが安心です。
住宅診断の費用は平均5万円
「そがーん事細かに見てもらえるなら恐ろしい費用になるんじゃ」と構えてしまいますが、平均基本料金は5万円です。
その他、床面積の広さやオプションなどで金額が上がったりしますが、どこまでを基本料金の範囲内にしているのかは各業者によって異なりますから事前に調べておくといいでしょう。
もちろん基本料金の5万円の支払いは、依頼した購入者が負担します。
売主と折半したい気持ちは分かりますが、先に話したように中古物件の原則は現状渡しです。売主側からすれば「そーら、あたが気になるって言って検査したったろうたい?なんでうちが払わにゃんとね」ってなってしまいますので、よっぽど良心的な売主さんでない限り、折半は難しいと考えておきましょう。
熊本県で住宅診断の補助金とかないと?
これから住宅ローンなど多額のお金が出ていくんですから、気にはなってもそんなにお金は出せない…という人も多いものです。
ちなみに熊本県で調べた結果、残念ながら住宅診断そのものの費用に対する補助金や助成金はありません。
ただし検査結果で「耐震工事、補強が必要である」と判断され、工事を行う際には上限100万円が補助されます。(2019年2月現在熊本市の場合)
ただしすべての住宅に該当するわけではなく、一定の条件を満たす必要があるので詳しくは居住する地域のホームページで確認するといいでしょう。
まとめ
例えば元大工など建設や設計にかかわった人であれば、分かりやすいのでしょうが中古住宅を購入する人、皆が皆、耐震などの知識を持っている訳ではありません。でも分からないまま購入してしまえば、思わぬ落とし穴が潜んでいる事だって考えられます。
高額なお金を出して購入する大事な家です。購入前にしっかりと調べ、納得したうえで契約することをおすすめします。