
なんとなーく住宅を購入するときって頭金がいるんだろーなーってイメージありません?
住宅メーカーの人も、なんか頭金ありきで話をしてくるんで、「頭金なしで」って微妙に言い出しにくいもんなんですよね。
だってほら、男性の成分の8割9分くらいはメンツで出来てるじゃないですか。
「頭金ない」って言ったら「あっ…」みたいな空気になるし、何より「こいつ金もってねーな」と思われてるんだろーなって考えたら、もう絶叫したいくらいの辱めな訳です。
でも、結論から言えば賢い人ほど、頭金なんて入れてません。
ぶっちゃけ頭金100万いれたところで住宅ローン返済に大きく影響しない
なんだか賢そうな不動産情報には「頭金入れた方が月の返済金額抑えられる!」みたいな事、書いてあるじゃないですか。
でも問題は、いくら変わるのかって話ですよ。万単位ならさすがに考えますが、さほど変わらんならね~…って思いません?
だってそこ数千円のために3桁のお金が手元からなくなっちゃんですよ?これって結構不安な話ですよ。
じゃ、ここでいっちょ月々の支払いにいくら差が出るのかを計算してみましょう。
借入金額2,500万円、金利1.0%、35年ローンのボーナス払いなしで頭金0と頭金100万円入れたバージョンで見てみましょう。
【頭金なしの月の支払い金額】
70,571円
【頭金100万円入れた場合の月の返済額】
67,748円
その差額、2,823円です。
そりゃ貯金が何百万円もあって「100万?それくらいなら余裕で」って人なら、どーぞどーぞです。でも問題は「ここで100万出したら引っ越し代とか家具代ヤバい」というご家庭です。
いや、むしろそのようなご家庭の方が多数なんです。
ここで、親に「頭金貸して」って泣きつくほどの差額…って程でもなくないですか?毎月約3,000円ですよ。
しかも住宅ローンって「住宅ローン控除」があるんで、借りた金額が大きいほうが税金、多く戻ってくるんです。
住宅ローン控除の存在まで計算
住宅ローン控除というのは、住宅ローンを借りて10年(消費増税後の購入ならば特例で13年)税金が控除…つまり結構お金戻ってくるよっていうお得な制度なんです。
毎年、年末の段階で残っている住宅ローン残高の1パーセント戻ってきます。
ではここでも頭金ゼロの場合と、頭金100万円を入れた場合の控除額を計算してみましょう。条件はさきほどと同じとします。
【頭金ゼロの控除額】
1年目…24万5千円
2年目…23万8千円
10年目…18万8千円
【頭金100万の控除額】
1年目…23万5千円
2年目…22万9千円
10年目…18万円
その差額1万円です。借りた金額が多い方が控除額も上がるので、住宅ローン控除に関していえば、頭金なしの方がお得なんです。
先に話したように毎月の支払いの差額は2,823円。1年間で考えると2,823円×12カ月=33,876円。控除の差額1万円を引くと、23,876円÷12カ月=1,990円。
つまり2,500万円ローンを組んだ場合だと、頭金ゼロと頭金100万入れた実質差額は1,990円で2,000円にも満たないんです。
万が一何かあった時やっぱり頼れるのは現金
繰り返しになりますが、頭金100万円を入れても痛くもかゆくもないという人ならば頭金を入れても問題ありません。
ただ計算したように100万円入れても、月の返済金額での差額って2,000円切る程度なんです。
その金額のために貯金ゼロになってしまう方が非常に危ういものですし、何より万が一何かあった時のために、現金を多く手元に残しておいた方が賢明な判断ではないでしょうか。
新居を構えるにあたって、今後は地鎮祭や上棟式などもするならばまたお金が出ていきます。そこで謝礼が払えない…という訳にはいきませんし、「ちょっカード払いで…」なんてのもできません。
なんやかんや言っても現金は手元に置いておいた方がいいんです。
まとめ
言うのをすっかり忘れていたんですけど、そもそも頭金って通例でもなんでもないんです。むしろ最近は入れない人の方が多いので、全く気にすることなく「頭金なしで」って言っちゃってOKです。住宅メーカーの人も慣れていますから、特段「プヒーーー!!!」って陰で笑われるようなこともありません。
むしろ2,000円程度のために、親に頭下げに行ったりキャッシングをする方がマイナス面は大きくなってしまいます。
リスクを最小限に抑え、手元に現金を残す。この方法で検討した方が、今後無理なく生活できるきっかけにも繋がりますよ。ぜひ参考に。