
家を購入する際に必ず加入するのが「団体信用生命保険」いわゆる団信ってやつです。
団信にまつわるよくある節約方法として「団信がある程度フォローできるんだから、今加入している生命保険を見直すことで、節約に繋がる」と言われているんですが、今や昔の話。
年金2,000万円問題で言われているように、自分の資産は自分で守るしかない。
そして、今後起こりうるリスクも自分で把握し、できる限り小ダメージで過ごすためのリスク管理をしなきゃいけない。そんな時代になってきたんです。
自分の目で見て頭で考えなきゃ、もしもの時に誰も責任なんてとってくれませんもの。
じゃ、団信に加入していてもフォローできない部分ってどこ?具体的にどうすりゃいいの?って疑問を解決するために、CRASみらいコンシェルジュFPの高見さんに詳しい話を聞いてきました!
残された家族の生活費までは団信じゃフォローできない
ー早速ですが、団信にさえ入っていればあとは掛け捨てタイプの生命保険に入ればある程度大丈夫かなって認識していたんですが、違うんでしょうか。
高見さん
結論から言えば、それすごく怖い選択肢です。家って高額な買い物なんですから、常にリスクを考えておかないと。
団信や生命保険でフォローできるのは、ご存知のように住宅ローンの残債がなくなるのみ。あとは、生命保険の死亡保険金と遺族年金が収入として入ってきます。
しかし、いくら死亡保険金が入り、遺族年金がもらえたとしても、やっぱり今までと同じレベルでの生活は難しくなると考えるのが自然でしょう。
ー死亡保険金+遺族年金では足りないと。
高見さん
そうですね。他界された年齢にもよりますが、まだお子さんが学生でお金がかかるうちは、足りません。学費と、そのうち車の買い替え、家電製品の買い替えなども発生しますからね。
また遺族年金も、申請してすぐにもらえるものではありません。手続きして実際に支給されるまで半年程度は時間を要しますから、その間の生活費の事も考えておく必要があるでしょう。
実際どの程度金額が足りないのかシミュレーションしてみた
ー「足りない」って一概に言われてもピンときません。
高見さん
ですよね。じゃ実際にシミュレーションを作ってみましょうか。
ーそんな簡単に作れるんですか?
高見さん
はい!弊社ではライフプランニングと同じくリスクプランニングも重要だと考えていますから、すぐに算出できるようにしています。それでは仮の家族でシミュレーションしてみましょうか。
家族構成は…
田中正さん(36歳)年収400万円、妻の沙織さん(35歳)パート勤務年収55万円、息子の太郎君(5歳)最近スイミングを始めた。娘のみゆちゃん(2歳)変顔にハマっている。
「そろそろマイホームを」と考えている、ごくごく平凡な熊本市在住の4人家族です。ちなみに貯金は500万円。
ー具体的すぎやしませんか
高見さん
シミュレーションでもリアルが大事。ギリギリでいつも生きてはいけないタイプなんです。
ーでは早速シミュレーションを
高見さん
スルー能力さすがです。では私もなかったことにして、シミュレーションを作ってみました。
青い部分が必ず出ていく生活費などの支出金額を示しています。
車の買い替えや家族旅行などの特別支出も算出してみました。
ご主人が健在であることを条件に出た、今後の収支のバランスです。ちょっと紫の「貯蓄」の部分を注目してもらえますか?
ーまあ2022年にガツンと減りますけど、そこから盛り返していますね。
高見さん
そうです。ある程度の出費なら、事前にわかっていれば、2022年に貯金が心もとない金額になったとしても、慌てずに済みます。…と、ここまでが「ライフプランニング」です。つまりご家族皆が健在の状態での数値ですね。
でもこれだけで安心してはいけません。
もしご主人が他界したら、働けなくなってしまったら。このようなリスクも同時にプランニングしていく必要があるのです。
では次に、もしご主人が他界したと仮定しましょう。
合計部分を見て分かるように、今の状態でご主人が他界した場合、約2,000万円足りません。
ー…は?
高見さん
足りません!
ねっ?団信保険で住宅ローンがチャラになって、遺族年金や死亡保険をもらったとしても、今の生活水準で暮らすのであれば2,000万円足りないんです。
リスクプランニングまで考慮して家を購入する方法
ー絶望じゃないですか。こんなんだったら「いやだったらそんなリスク犯してまで持ち家いらねーわ」ってなりますわ。
高見さん
でもこれ賃貸であっても同じようなリスクですよね。むしろ賃貸の場合は、他界しても家賃チャラになりませんから、まだマイナスになります。
ーじゃどうすれば
高見さん
重要なのは保険のかけ方。そして攻めた資産運用の前に、守りを固める姿勢です。
例えば、死亡保険を一括で受け取らず分割で受取りができるプランも存在します。
そうすれば毎月コンスタントに収入が入ってくるので、現在の収入を示す折れ線グラフも
ここまでもっていくことができます。
当座のお金として、半年分の緊急予備費、1年分の生活費、葬式代程度は持っておいた方が安心ですね。
ーこれって各家庭によって必要となる金額って変わってきますよね?どうやって算出すればいいんでしょうか?
高見さん
弊社にご相談いただければ、算出できますよ。予約制ですが、費用は発生しませんし。
「別に家を今すぐ購入する予定じゃないけど、今後のための資産管理を」という事で、相談にこられる方も増えています。
ー年金2,000万円問題もありますしね。やっぱりお金のことはプロのファイナンシャルプランナーに相談ですね
高見さん
そうですね。おうちを購入するにはまずお金のことを解消していかないと。適正な金額なのか、リスクはどの程度あるのか、保険でリカバーできるのか、など総合的な判断をさせていただきます。
まとめ
お金のことってよく分からないのに、万が一のリスク管理なんて、ますます訳が分からないものですよね。でも、何がおきても残された家族は今後も生きていかなくちゃいけません。
確かに団信に入ると安心ですが、保証されるのは住宅ローンの残債のみ。あとの生活費や養育費などは年金だけでは不足してしまうのが現状です。「じゃ我が家の場合は具体的にいくら足りないのだろう」と計算し、その不足分のみを補う保険に入っておいて、初めてリスク管理までしたことになるんです。
ちょっとややこしい話のようにも感じますが、愛する家族を守るため。
何か起きて慌てても遅いんです。
CRASみらいコンシェルジュでは、いつでも相談可能なので、どんどん使えるものは使って、安心して持ち家を検討してはいかがでしょうか。