
さあいよいよ家づくり!と本格的に決まってくると、どこの住宅メーカーに頼むのか?という悩みが出てきます。
大手住宅メーカーは確かに安心感が強いものですが、どうせならば地元で頑張っている建築会社に依頼したくなるもの。
しかし熊本県内でも結構な数の建築会社が存在するので、どこを選べばいいのか分かりにくくありません?
また小規模なところほど圧倒的に口コミが少ない!
そこで今回、一切営業・広告を出していない熊本県内の建築会社にスポットを当てて、どのような会社でどのような家づくりをしているのかを調べてみました!
社長がものすごく聞き上手だった
今回お話を伺ったのは、熊本市南区城南に事務所を構える「溝田建築設計」さん。
社長プロフィール
一級建築士 溝田晃之
前職は一条工務店での設計・施工に従事。
―お忙しい所、申し訳ありません!よろしくお願いいたします!
いえいえ~こちらこそ。ま、コーヒーでも飲みませんか?
ーありがとうございます!で、物凄く唐突なんですが、一番気になっている部分をズバリ聞いてもよろしいでしょうか?
ここって設計のみを行う会社なんでしょうか?
いえ。土地探しから銀行へのローン手続き、設計、施工、アフターフォロー、すべて弊社のみで行わせていただいていますよ。
―そうなんですね!どうしても「設計事務所」って聞くと、設計だけここで行って、実際の施工は他業者に…っていうイメージで。
そうですね。そうしている所も多いものですが、弊社はすべて一貫してお受けできます。ほらよく業者が複雑に入り組んでたりしたら「言った言わない」問題が出てくるじゃないですか。
そういうのイヤなんです。だったら自分が最後まで責任をもって携わりたいし。
家は建てて終わりじゃありませんから。その先の方がずっと長いお付き合いになる。そこでやっぱり必要になってくるのは信頼関係ですからね。
駆け引きとかできないんだよね
―ちなみに、溝田設計事務所の特徴ってどのような所でしょうか?
え?特徴?…うーーーん…。例えば施工の特徴とか言われても、ないんです(笑)
―えっ
ないよ~!だって人間1人1人、顔や考え方が違うように、何をもって「こういう我が家!」ってコンセプトは違うでしょ?
「僕が建てる家なんだから、こうでなくちゃ!」とか、そういうコダワリはお客様にとって邪魔なだけです。大事なのは僕のコダワリじゃない。お客様が何を重要視しているのか?ってことで…
うーーーん
あっ!そうだ!特徴と言っていいのか微妙だけど(笑)初回でお見積り出すでしょ?そこから最終契約まで、うち値段上がらないです。
―値段が上がらない?どういう事でしょう?
大体、大手のメーカーさんって最初の見積金額は低く出すんです。でも細かく見ていけば「生活できるだけの環境が整っていない段階」での見積りなんですよね。
つまり後からどんどん予算が上がっていくんですが、僕それがどうしてもできなくて(笑)
なんで信頼関係を築きたい相手に駆け引きする必要があるんだろう?って思っちゃうんです。
だったら最初からカーテンも照明機器も何もかも揃って「さあ完成後すぐにでも生活できますよ!」っていう状態でのお見積りを出したいんです。
―ファー――!!確かに!家を建てた後って、地味にお金かかりますけど意外とその事実を知らない人の方が多いですもんね!
でしょう?だったら最初から「家を建てて、実際生活できるまでのレベルにもっていくにはこの程度のお金がかかりますよ」って提示していた方が、分かりやすいでしょ。
あとは、見積金額からどこの予算を抑えてどこの予算を上げる?とか、そういった話にはなりますが、今までお付き合いいただいているお客様への見積金額が、最終的に上がったって事はありませんね。
どんな家を作っているの?
基礎の土台はヒノキの無垢、梁はスギもしくはアカマツの無垢が基本ですね。断熱材に関しては基本的には吹き付け工法ですが、予算に応じて変わったりもします。
現場を業者に丸投げするような事はしません。
内装やデザインに関しては、お客様との打ち合わせで何を求めているのかは伝ってきますから、希望に沿うよう心掛けています。
―誰しも初めての家づくりなので、明確に「こういう家がいい!」なんて分からないものじゃないかと思うのですが…。
もちろん最初からビジョンが明確な人のほうが稀です。
ですがお話していれば、なんとなく見えてくるんですよね。ちなみに家族構成と希望の間取りだけ教えてもらえれば大丈夫です(笑)
家って今後何十年と暮らすものです。人間年をとればライフスタイルも変わっていきます。10年後20年後先を考えた設計を意識しないといけませんからね。
大切なのはコミュニケーション量
―先ほど「現場に丸投げしない」とおっしゃっていましたが、でも実際思うんです。作るのは現場の人じゃないですか。頼む側としたら完全に「性善説」で信じるほかないっていうか…。袖の下で現場にジュースでも差し入れするしかないっていうか…。
大事なのは「個々の能力を見極める力」と「コミュニケーション量」だと思うんです。
うちの職人は皆、技量は一定にあります。つまり誰に頼んでも一定のレベルは保てる。
でもお客様の立場からすれば、それだけじゃダメじゃないですか。同じ作業をして同じように完成させたとしても、やっぱり細かい所で個々の能力の差が出る。
いいとか悪いとかじゃなくてね。適材適所。
「このお客様にはかなり細かい作業までする職人がいいな」とか「急ぎだからスピードが速い職人がいいな」とかね。
例えば、あなたが誰かに記事を書いてもらうように依頼する場合、やっぱり得手不得手と、個々の能力で仕事を割り振りするでしょ?
―私は依頼されている方なので何とも(笑)でも、おっしゃる通りだと思います。
予算1万円の仕事だとして。「なら1万円分の働きしかしみゃー」って人もいれば「いや値段とか関係ない」っていう人もいますよね。
弊社では予算ありきで仕事をする職人は迷いなく切ります。
だってお客様にとっては一生に一度の大事な家ですよ。それなのに気持ちで手を抜かれちゃ困る。
なので、今いる職人たちは全て「予算がいくらだろうと自分に誇れる仕事をしたい」っていうプロ集団ばかりです。
また私も現場に入りますし、現場での最低限のルールを決めたり、定期的にミーティングを開いたりして、皆が共通意識を持つようにしています。
まとめ
「今年で9年目になるんですけど、おかげさまで建てた方のお友達やご親戚などからご紹介をひっきりなしに頂くんです」と、少し照れた顔を見せてくれた社長。
本当にいいモノって確かに営業ゴリゴリせずとも口コミで広がっていくものですよね。まさにそれを地で行っているのが溝田建築設計。
「自分のコダワリなんてない」と言い切れるのも、どんな要望があっても形に変える技量があるがためのセリフなんだろうなあと感じました。
お忙しい中、ご対応頂き誠にありがとうございました!