
建売や中古物件以外で家を建てるとなれば、切っても切り離せないのが土地選び。
でも、ぶっちゃけ今までそんな土地の存在を意識して人生歩んできた人って少数派なんだと思うんですよね。ふんわりと「このエリアがいいかな」くらいは考えますが、実際に土地の下見に行った所で更地ですし。
何がどうとかって特に感想がない…。
近隣に学校や公共交通機関、コンビニやスーパーがあるかどうかの情報ならば、わざわざ現地に行かずとも、情報は得られる時代ですもの。行った所で何見て決めればいいのって疑問に思う事も少なくありません。
そこで今回、CRASの土地マスターこと中澤さんに、この疑問をぶつけてみました。最初のステップでもある土地探しの良しあしを決める情報を知っているかどうかで、土地選びの概念が変わりますよ。
「答えは現場にある」ってドヤられたから一緒に行ってみた
ーそういう訳で、土地探しって何を基準にすればいいのか分かりません。
土地マスターCRAS中澤さん
話はしょりすぎ!土地探しって、机上でどうこう言っているよりも、答えって現場にあるんですよ。見た方が早い。とりあえず弊社で売りに出している熊本市南区富合の分譲地まで一緒に行きましょう!
土地マスターCRAS中澤さん
さあ!着きました!!富合分譲地の地図からまず見てみましょう!
土地マスターCRAS中澤さん
アップしたものは以下のとおりです!
ーこれで何を見ればいいんでしょうか。角地がいい!とか真四角な土地がいい!とか、そんな感じですかね?
土地マスターCRAS中澤さん
確かに真四角であれば使いやすい形状ですよね。その分人気ですし、費用も上がる。ただ、僕がもしこの分譲地で購入するのであれば、「284-3」を選びますね。
この奥の平屋が建設されているところです。
ーそのこころは?
土地マスターCRAS中澤さん
角地であることです。特に平屋を検討されているのであれば、この「角地」が重要ポイントなんです!
角地にすると建ぺい率が10%アップする
―角地って言っても、何もここだけじゃないですよね?例えば「282-10」これだって角地じゃないですか。
土地マスターCRAS中澤さん
これ角地じゃありません。不動産で言う角地は一般的な角地とはまた違うのです。
ーどのような違いが?
土地マスターCRAS中澤さん
該当する市区町村によって微妙に変わってくるのですが、例えばここ熊本市であれば、このような条件を満たさないと「角地緩和」の条件にならないんですよ。
【角地緩和の条件】
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周辺の長さの3分の1以上が道路又は公園、広場、川その他これらに類するもの(次号において「道路等」という。)に接する敷地
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周辺の長さの6分の1以上が幅員12メートル以上の道路等に接する敷地
ーもうややこしい
土地マスターCRAS中澤さん
ざっくり言えばですね、接する道路です。土地に対して二方の道路が接していることや、道の交差点の面した場所にあることなどで、はじめて「角地」になるんです。で、「角地緩和」ってのが、建ぺい率10%アップしちゃうよ!というボーナスみたいなもんですね。
だから、広さが必要な平屋を分譲地で探すのならば、角地がいいんです。
土地で絶対譲っちゃいけないポイントは3つ
ーどんな土地であっても、家族構成であってもゆずっちゃいけないポイントってありますか?
土地マスターCRAS中澤さん
そうですね。熊本県民ならではの「ここは押さえておかないと後悔しがち」ってなポイントは3つありますね。
譲っちゃいけないポイント1:間口の広さ
土地マスターCRAS中澤さん
熊本は車社会ですからね。1人1台は普通ですし、お客様が来られた時にも停められる駐車スペースは確保しとかなきゃいけません。それこそ、真四角な土地ならばスペース確保しやすいのですが、このような旗竿地などは、どうしても縦列でしか無理ってことが多いですよね。
でも毎日そこで暮らすんですから、やっぱり縦列よりも並列のほうがストレスがないんです。
なので、どのような土地の形状であったとしても、弊社の分譲地はできる限り間口を広く設けて、並列になるように区割りをしています。
ー確かに家族の通勤時間がバラバラだと、縦列しんどいっすね。でも中央区ならよくある駐車方法ではありますよね…
土地マスターCRAS中澤さん
はい、ここが市内中心地ならばそれでいいんですが、ここ富合ですよ?
富合で土地を探している人で「狭くても縦列でもいい」って人、かなり少数派だと思うんです。やっぱりのどかな雰囲気で家もゆったりと。を望まれている人ほうが多数ですから。どんな土地形状でも、車の出し入れがしやすく、かつ並列でも駐車ができるような区割りなのか?を確認されてください。
譲っちゃいけないポイント2:道路は私道ではなく市道で!
土地マスターCRAS中澤さん
「分譲地なんだからお互い様」が通じるのは、今回購入した世代だけだと思っておいてください。今は同時期に家を建てた人たちで顔見知りなので、いいんですよ。別に私道を共有にしていても。
でも、今後自分たちの子供が持ち家を引き継いだ、近所のあの家が売却になって知らない人が越してきた。
なんら珍しい話ではありませんよね。今は「お互い様」で済む話ですが、長い目で考えれば共有の私道なんてトラブルのもとなだけです。もし道路を掘り起こす工事が必要になってくれば、全員の許可そして印鑑が必要です。
「は?知らん」って1人でも反対されれば、工事もできない。そんなの困るだけじゃないですか。
ーいや本当に困る。でも私道を市道に変えるのって手続き面倒そう
土地マスターCRAS中澤さん
ご安心ください!CRASの分譲地は市道手続きをして、皆さまにお渡ししていますから!
譲っちゃいけないポイント3:採光問題
ー採光問題は確かに気になるところです。
土地マスターCRAS中澤さん
「分譲地であれば、どんな形状の家が建ったとしても採光が取れるように考えてあるんで大丈夫」という考え方は少し危険です。その理屈がとおるのは、あくまで「分譲地内の建物」であることを忘れてはいけません。
例えば、分譲地ではなく隣接している、昔からある住宅が売却されて、マンションになってしまったら…。そこまで考えて土地は見極めないといけません。とは言え購入時点で将来のことなんてわかる訳ありませんから、「もし建ったとしても大丈夫」という土地を選択した方がいいでしょう。
ーそんな先を見極められる力がどこに
土地マスターCRAS中澤さん
今回の富合の土地であれば、条例で決まっているんですよ。「この高さまでしか建物は建てちゃダメですよ」ってのが。我々はそこまで調査して、区割りしてます。
もし分譲地以外のご近所さんが、立替などで3階にしたとしても、問題なく採光が取れるようにしなきゃ怖いですからね。
重要なのはどこの業者が区割りをしているのかということ
ーこれらの条件を全てクリアする土地ってなかなか難しくないですか?素人じゃとても無理
土地マスターCRAS中澤さん
なんのために私がいるんですか!ただの土地マニアじゃないんですよ!私、一応不動産業者なんですから頼ってくださいよ!(笑)
ー住宅分譲地なんてどこも同じかと思ってました。場所が違うだけで。
土地マスターCRAS中澤さん
ぜんっぜん!違いますよ。だから土地って面白いんですよ。もっと言えば、どこの業者が分譲地の区割りをしているのかでも、全く変わってきますよ。
弊社の強みは、代表の山浦が住宅メーカーに勤務していた経験があるってのが強いとことですね。土地見ただけで「こんな形状の家が建つ」ってすぐにわかるんですよ。なので、区割りも一見すると独特でしょ?
でもね。これってすべて計算されつくてるんですよ。採光であったり間口であったり。先を見通して考えられた区割りであるかどうか?でも変わってきます。
どんなにいい土地でも区割りが悪けりゃ「死に土地」になっちゃいますからね。財産として残そうと思うのならば「生き土地」にしてあげないと。
まとめ
土地の下見に行くときって、エリアの事だけ考えとけばいいのかな。なんて思っていましたが、案外見るポイントが盛りだくさんでした!特にまだ近隣に建物が建っていない状態の土地を見ても、そりゃどこだって日当たりがいいのは当然です。
近隣にどんな形状の建物が建ったとしても、我が家に光が差し込む家にするためには、やはり土地の区割りって重要なんだと感じました。こりゃ確かに机上で話を聞くよりも現場に行かなきゃ分からない!と痛感。
富合の土地も残りわずか!気になる方は下見だけでもいかがでしょうか?土地マスター中澤から色んな情報を聞けますよ!